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アトリエ Zinn 材料ページ

はんだ付けアート製作に必要な材料や消耗品。そしてマル秘ノウハウ公開(フラックスに粘りを出す薬剤など)


材料

ギャラリーに掲載した作品に使われた材料(消耗品)について、ざっとお伝えしようと思います。作成する作品によって大きく変わってきます。



金属線材

ギャラリーの作品の素材は、はんだでコーティングしたすずメッキ銅線か真鍮線です。
その他に銀線が考えられますが、高価なのとはんだ付け容易性が未知数です。アルミ線ははんだ付けできませんし、針金(鉄)、ステンレス線は加工しにくい上に工具も傷めるので候補にはなりません。

すずメッキ銅線

元々が電気配線用なので太さのバリエーションが豊富です(0.32、0.4、0.5、0.6、0.65、0.8、1.0、1.2、1.6、2.0 いずれもmm)。
銅なので加工も容易ですしニッパーにもやさしいです。モノタロウや電子部品の通販サイトから手に入ります。値段は太さにもよりますが10m当たり400円~1000円程度。
ちょっと面倒な点としては、すずメッキはしてあるものの、このままでは、はんだを弾いてしまうケースがほとんどです。
そのため紙やすりで一旦メッキ層を剥がして予備はんだ(はんだコーティング)をしています。

真鍮線

太さのバリエーションはすずメッキ銅線ほどはありませんが(0.9mm、0.55mm、0.3mm 2mm~とか太いものは棒状素材)、作品にアクセントをつけるには十分だと思います。
価格は銅線のだいたい半額程度で安さが魅力です、ホームセンターで手に入ります。
銅線に比べると、弾性(曲げても元に戻ろうとする性質)あるのと、硬いので真鍮線専用のニッパーを用意した方がよいかと思います(国産品の普及品で十分)。



はんだ関連

金属素材同士を接合するための主役です。
作る作品にもよりますが、『糸はんだ』と呼ばれている線状のはんだが使いやすいと思います。
『鉛フリーはんだ』と呼ばれているものが現在主流になりつつありますが、 はんだ付けアートには向かないと思います。
『共晶(きょうしょう)はんだ』と表示のあるもの。あるいは、はんだの成分表示に錫(スズ)が60%含まれているものを使っています。
フラックスははんだ付けを容易にする為の薬剤です。

糸はんだ

太さにバリエーション(0.3 0.5 0.65 0.8 1.0 1.0~ いづれもmm)があり、接合する対象物により使い分けていますがあります。
ギャラリーの作品でいえば『赤れんが倉庫』の窓のような細かい細工には0.3mmを、 『マリンタワー』のような比較的太めの線同士の接合でも0.5mmです。

フラックス

糸はんだの場合、フラックスは線状のはんだの中に既に封入されています。
このフラックス分ではんだ付けできれば、それが一番です。
ですが、接合点に先にフラックスを塗って、こて先にはんだを乗せて(この時点ではんだに含まれるフラックスは蒸発)、 溶けたはんだを接合点に当てる。といったはんだ付けもあり得ます。
そのときの必需品になります。
粘り気が欲しい場合は、フラックス中の溶剤を揮発させて濃くする(当然量は減ります)、あるいは、次項で説明しますがワセリンを少量混ぜ込んでゾル状にします。

ワセリン

これは余り公開したくないテクニックなのですが、フラックスは製品のままですとサラサラなので、もう少し粘りを増したい場合があります。
その時に少量をフラックスに混ぜてゾル状にします。
白光㈱のHAKKO 001では何とか混ざりましたが、FS-200は向きません、他のメーカーさんは試していません。また室温が低すぎても混ざりません。



木板・塗料・コーティング剤

木板はできあがったはんだ付けアート作品をマウントするための土台に使います。
木の種類、板を塗る塗料、塗料を保護するコーティング剤については試行錯誤の途上です。以下、ご参考まで。

木板

木板にピンバイスで0.5mmの穴を開けて、0.5mmのはんだコーティングしたすずメッキ線を挿し込みます。
それに耐えうる厚さということで4mm以上がよいかと思います。
適切なサイズ(30cmx20cm、45cm×30cm等)の薄板は、ホームセンターではなかなか見つかりません。
私は東急ハンズのシナ合板を主に使っています。
シナ材の特徴として加工がし易い反面、強度は少し足りないようです。

塗料・コーティング剤

木板はサンドペーパーで滑らかになるまで下地処理をしてから塗装します。
現在はプラモデル用のエナメル塗料を使っています。混合により色の自由度が大きいのと量が適量なので助かります。
エナメル塗料を使う理由はもう一つあって、はんだ接合点を洗浄する際に使うIPA(ソプロピルアルコール)に対する耐性が強い点です。ラッカー系の塗料では塗装が溶けてしまいます。
エナメル塗料は塗装膜が弱いので、コーティング剤で補強したいことろ。



洗浄剤、その他

はんだ付けしたあとの洗浄剤、ウエス(汚れ取り)、その他の消耗品です。

IPA

はんだ付けした接合点付近は必ず焼けたフラックスで汚れています。この汚れを除去するのには、IPA(イソプロピルアルコール)を使います。
少量を小皿にとり、硬めの筆を使い、溶かして下に流すか、キムワイプなどのウエスに写し取ります。
アルコール類は引火性がすごく高いので、一度に使う量は小皿に乗る程度にします。
IPAは生フラックスや接着剤のベトつきをふき取るなど、汎用クリーナーとして結構消費します。1L 650円程度。
※フラックスの洗浄剤としては、他の種類もあるのですが、価格が高めなのとスプレータイプが多いです。

キムワイプ(紙ウエス)

ティッシュペーパーに比べて、紙の繊維が長くケバ立たないようになっています。反面長い繊維が作品上に残っていたりします。ティッシュの用に使います。

マスキング・テープ各種

貼っても剥がせる程度の接着力なので、はんだ付けする線材を一時的に止めたりできます。
細く切って、線材のマーキングに使ったり(油性のマーカーはフラックスで溶けてしまいます)、部品のNo.を書き込んだり、いろいろな局面で使います。